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Director

キャストさんに共犯関係になってもらい、
キュンとする、心が動く映像を撮りたい

やまもとまさき
Yamamoto Masaki

ディレクターの魅力は
影響力の大きさ


やまもと監督はどのような幼少期を過ごされていましたか?
小学校ではサッカーをやっていましたが、基本的にインドアだったと思います。当時流行りだしたファミコンをやったり、友達の家に入り浸って遊んだりしていました。
進学した高校は、私たちの代が4期生となる新しいところで、そこで美術部に入りました。美術部創設初となる男子部員だったようで、珍しがられましたね。とはいえ、美大に行こうだとかそこまで強い気持ちがあったわけではなく、なんとなく油絵を描いてみたいな…くらいでした。

その後映像分野を志すきっかけになったことはありますか?
地元が山口県なのですが、岩国に米軍基地があり、そこのお祭りに行ったときにテレビ局のカメラに触れられるコーナーで遊んだことが最初のきっかけかな。触りながら「映像って面白いな」と漠然と思って。あと、小さい頃からベストヒットUSAを見ていたり、海外の映像を観るのが好きだったということもあるかもしれません。
そこから地元を離れてみたい気持ちもあり、
大阪にある専門の学校に入学しました。

在学中はどのような作品を作られていたんですか?
いえ、学校にはほとんど行かず(笑)プロダクションで仕事をしていました。プロダクションとのネットワークがある講師がいて、実践を積む経験を与えてもらったというか、現場に放り込まれたというか(笑)。とはいえ早いうちから現場に出られたことは良かったと思います。
卒業後は大阪のプロダクションに入社し、制作に配属され、その後転職して、同じく大阪にあるプロダクションに合計10年ぐらい勤務していました。2社目のプロダクションでは制作も企画も演出もプロデューサーもすべて経験をしました。企画から関わった作品でACC賞を受賞できたりと、だんだん企画が面白いなと思い始めて、そっちにシフトしたいなと感じていました。
MasakiYamamoto

企画から関わり、作品に広がりを持たせる


フリーランスとして独立されたのは、何かタイミングがあったのでしょうか?
仕事でお世話になった方が突然亡くなって、僕自身もかなりショックでした。その時に「人生、いつどうなるかわからない。どうせなら悔いの残らないようにしよう!」と思い、独立してフリーのディレクターになる決意をしました。
今考えるとかなり無謀でしたが
2008年から東京に来て、ありがたいことに少しずつお仕事をいただきながら新しい環境にチャレンジしていきました。

ターニングポイントになった作品はありますか。
コーヒーのドリッパーやグラスなどのガラス製品を手掛けるHARIOのCMでは、吹石一恵さんをキャスティングしてクールなトーンで撮影する企画でした。ただ、もう少し立体的に表現したいと思い、吹石さんに回転台に乗っていただき、コーヒーを淹れるという映像にしました。吹石さんも「本当に回すんですね」と笑っていましたが、本番に入ると見事に演じきっていただけました。完成した映像を見られた他のCDが「面白いね」と言ってくださったり、
その時期あたりからいろいろと仕事が広がっていった気がします。

企画から関わっているお仕事が多い印象で、そこが強みでもあると感じます。
そうですね。企画から関わるからこそ早い段階から作品に広がりを持たせたり、フィニッシュのイメージを早く伝えられるというのは利点だと思います
商品特性など考えて作品によってトーンを変えますし、スタッフのチーム編成においてもそれは同様です。例えば企画に合ったトーンのカメラマンさんにお願いしたいという思いがあるので、自分からコンタクトを取ったり、プロダクションに紹介してもらったり、かなり柔軟に動いていると思います。

LIXILリフォームショップ「ここちリノベーション」など、ファンタジー要素があるものもやまもと監督のカラーなのかなと感じました。
それだけということでもないのですが
結果的にファンタジーやSFが入るのは、やっぱりその世界観が好きというのもあるのでしょうね。
とはいえ、この仕事で面白いのは全く同じものがないということで、同じ企画、同じキャストというのはないからこそ、いつも新鮮に楽しんでいられるのかもしれません。
LIXILリフォームショップ「ここちリノベーション」

キャスティングの軸は、キュンとするかどうか


キャスティングにおけるこだわりを聞かせてください。
作品においてもキャスティングにおいてもテーマにしているのは、僕自身が見てキュンとするかどうか。見た人にキュンとしてもらえるかどうか。
「Nitto Spirits 」のTVCMでは、フィルム越しに恋人同士が遠距離で出会うシーンがあり、演出の際にダンスで愛を表現するという要素を乗せました。キュンとするポイントを出せると、見ている人も心が動くのではないかなと思っています。
あとは、佇まいのよさと、僕と共犯になって作品を面白くしてくれる人を選ぶ傾向にあります。もちろん、本人には「共犯になって」とは言いません。オーディションの時はなんとなく見て「ああ、この子なら一緒にやってくれそうだな」と目星をつけますね。

キャスティングに求めるものは?
キュンとなる素材を出してもらうことと、できるだけセレクトされたいい方たちを見せてもらえることでしょうか。もちろん、ある程度一定の数は見たいのですが、無尽蔵には見られませんから、なるべく早く求めているものを掴んで、ピックアップしてもらえるとありがたいです。
LIXIL、Nittoはe-Spiritさんにキャスティングでお世話になっていて、特にNittoは外国人のキャストが多かったので大変だったと思います。
あと余談ですが、LIXILは一日でメインの子とその他のキャストをを決めるスケジュールだったので、めちゃくちゃ長時間でした。ベンティサイズのコーヒーを2杯飲んだ記憶がありますから(笑)。

Nitto 企業CM 「Nitto Spirits篇」
オーディションや実際の演出で気を付けていること、工夫していることはありますか?
タレントさんなら、その方が持っているいいものをストレートに出していくのがベストかなと思います。あと、モデルさんやノンタレさんならオーディションの時に、どれくらい現場でうまくジャンプアップできるのかも見るようにしています。
時々、同席しているCDに「一人のキャストに対して丁寧すぎませんか?」と言われるのですが(笑)。

富士通ゼネラル エアコン TVCM ノクリアX 「AIエアコン」篇
いつも丁寧なキャスティングや演出で、現場の雰囲気をよくしてくださるやまもと監督。今後ともどうぞよろしくお願いします。本日はありがとうございました!

 
やまもとまさき
Yamamoto Masaki

Director

山口県山口市生まれ。O型。
2008年よりフリーランス。CMを中心に活動。

ADFEST/ACC/GALAXY賞受賞。

【HP】
https://masaki-yamamoto.com/

【WORKS】
FUJITSU,NITTO,MORINAGA MILK,FUJITSU GENERAL,
NEXCO,LIXIL REFORM SHOP,HAKUSENSHA,HARUYAMA,
SEIBU RECREATION,SHOGAKUKAN,KAGOME,WACOAL,
MUSIC.JP,HARIO,BOATPIER,NIKE,KAWAIJUKU etc…